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日別アーカイブ: 2025年4月15日

末広工業のよもやま話~第9回~

皆さんこんにちは!

 

末広工業、更新担当の中西です。

 

 

今回は、設計について

ということで、今回は、「足場設計とは何か?」から、「設計におけるチェックポイント」「設計の技術的進化」まで、現場のプロの視点で深掘りしてお伝えします♪

 

現場の安全と効率を支える足場設計の極意

足場工事と聞くと、「ただ組むだけ」と思われがちですが、実はその前段階の“設計”こそが、現場の安全性・作業効率・コストを大きく左右する極めて重要なプロセスです。


なぜ足場設計が必要なのか?

■ 足場設計=“安全・品質・効率”の起点

足場は「仮設」ではありますが、その設計には明確な目的と責任があります。

  1. 作業員の安全確保

  2. 作業効率の向上

  3. 建物へのダメージ防止

  4. 周囲(通行人・近隣)への安全配慮

  5. 法令遵守(足場特別教育、安全基準適合など)

つまり、足場設計は「単なる構造」ではなく、現場運営全体の戦略設計なのです。


足場設計の主な流れと設計時の重要ポイント

足場設計は、以下のプロセスで進みます。

① 現地調査(敷地・建物・周辺環境の確認)

  • 建物の高さ・形状・構造

  • 足場の設置スペース(道路・隣地との距離)

  • 地盤の状況(支持力・傾斜など)

  • 荷物の搬出入経路

  • 近隣建物とのクリアランス

📌 特に都市部では「敷地の狭小性」「通行制限」「騒音規制」など、環境要素が設計に直結します。


② 足場構造の選定と設計(種類・高さ・幅など)

使用される足場の種類は主に以下の通り

種類 特徴
枠組足場 中高層建築向け。組立て・解体が比較的速い。
くさび式足場 低層~中層に多い。狭小地や変形地に柔軟対応。
単管足場 自由度は高いが、組立に熟練技術が必要。
吊り足場 高架や橋梁など下部に足場が設置できない現場に

💡設計時には、使用場所・作業内容・工程の重複有無なども考慮して足場構造を決定します。


③ 荷重計算・転倒防止計画

  • 使用する資材の荷重

  • 作業員・工具・風圧などによる荷重

  • 転倒・崩壊防止のためのアンカー計画、壁つなぎ

📐 JIS規格や労働安全衛生法に準拠しながら、余裕を持った設計荷重を設定することが重要です。


④ 安全計画・落下防止措置の設計

  • 作業床の幅・高さ・隙間(安全帯の使用含む)

  • メッシュシートや防音パネルの設置位置

  • 階段の位置、昇降のしやすさ

👷‍♂️「事故ゼロ」への取り組みは、設計段階から始まっているのです。


足場設計を支える最新技術とツール

✅ 3D CADによる足場図面作成

  • 建物の立体形状を読み込み、足場の配置を3Dで確認

  • クライアント・職人・元請けとの共有がスムーズ

💡 実寸シミュレーションで干渉確認が可能 → 現場トラブルを未然に防止


✅ ドローン・レーザースキャナによる現場測量

  • 測量ミスや手戻りを防止

  • 高所や複雑な建物でも正確な計測

📷 写真+3Dスキャンで、そのまま設計ソフトへ連携可能です。


✅ BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)連携

建築プロジェクト全体を3Dデータで統合管理するBIMに、足場データを組み込むことで…

  • 他業種との干渉チェック

  • 工程計画の最適化

  • 資材発注の自動化

📈 「見える化」された設計と現場管理が、未来の足場工事の標準になります。


よくある失敗と設計での予防策

失敗例 原因 設計段階での対策
足場の組み立てが現場で困難 隣地との間隔が不十分 現地調査時に周辺環境を徹底確認
作業中の動線が不便 階段や通路の設計不足 作業内容と工程をもとに最適動線を設計
クレーム発生(騒音・粉じんなど) 養生や防音の計画が甘かった シート・パネルの適切配置を設計に含む

足場の品質は“設計の質”で決まる

施工の前に、設計で8割が決まる
これは私たち足場業者の間でよく使われる言葉です。

✔ 安全性
✔ 作業性
✔ コストパフォーマンス
✔ 周辺環境への配慮
✔ 職人の信頼と働きやすさ

すべてを実現するために、「足場設計」は現場を支える最初の“見えない工事”とも言えるでしょう。

 

 

 

 

 

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